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神社の固定資産税|磐田で考える非課税の条件と負担

公開 2026-10-01/文:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

土地ごとの区画図、白紙の引き継ぎノート、鉛筆と計算機を机に並べ、神社の固定資産税の確認記録を整理する様子を表した生成イメージ
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。

神社の土地は、全部が固定資産税の非課税になるのですか。

神社の土地は一律に非課税ではありません。宗教法人が専ら本来の用に供する境内建物・境内地など、法定の用途や条件の確認が必要です。磐田市では資産税課へ、地番・名義・利用状況をそろえて相談します。私は、確認した日と回答の前提を地番別メモに残し、役員交代の調べ直しを減らすことを提案します。

税額の前に、確認に出る人の負担を数える

神社の固定資産税を確かめる仕事には、書類を探す時間、窓口への交通費、現地を歩く体力がかかる。氏子・総代が自分の予定を空けて担う部分である。非課税かどうかだけで話を終えると、確認した人の負担が会計から消えてしまう。

私は大石浩之(磐田市/不動産業)。神職でも総代でもなく、氏子として当番が回る側から考えている。今回は特定の神社で受けた相談の報告ではない。土地と家を見る仕事の立場から、引き継ぎの調べ直しを減らす私案を書く。

負担の種類数える作業残す単位
時間資料探し、電話、移動、窓口、現地確認作業ごとの分数と人数
現金交通費、複写代、取得が必要になった証明書の費用実費と立替者、精算の有無
体力現地までの歩行、坂道、付き添い、資料の持ち運び歩いた時間、現地への往復回数

例えば、資料整理30分、電話15分、移動往復40分、窓口30分、現地確認25分なら、1人で合計140分になる。これは説明用の仮定で、磐田市の待ち時間や実測値ではない。2人が全行程に同行すれば延べ280分。交通費も1往復400円と仮置きすれば、同じ用事で2往復すると800円になる。実際の記録には各自の時間と実費を入れる。

相続後に家が空き家となり、家族が地区外へ移れば、書類を持つ人と現地へ行ける人が離れることもある。私は、人数だけでなく、この距離が当番の重さを変えると考える。境内を歩く作業は境内清掃・奉仕の基礎とも関わるが、税の確認のために清掃当番へ別日の集合を足す前に、必要な作業を絞りたい。

神社の土地なら、すべて非課税とは限らない

神社の固定資産税は、「神社が持っている」という呼び名だけでは決まらない。富士市の「固定資産税・都市計画税の非課税について」は、所有者による非課税と、利用状況による用途非課税を分けて説明している。2025年8月5日更新の本文を、2026年10月1日に確認した。

同市の表は、宗教法人が専ら本来の用に供する境内建物・境内地について、地方税法第348条第2項第3号を根拠としている。つまり、法人名だけを見るのでなく、何に使っている土地・建物かを確かめる必要がある。ここでは条文の対象を要約しており、個別の土地への適用を判断しているわけではない。

意外に感じるのは、名義が宗教法人かどうかだけでも話が終わらない点だ。富士市の説明では、所有者が無償で宗教法人などに使用させ、法定の用途に供している固定資産も用途非課税の対象に挙げる。一方、有料で貸し付けた場合は非課税にならないと説明する。個人名義だから直ちに課税、法人名義だから全部非課税、という二択にはできない。

良い点は、所有と用途を分けた説明が公開されていることだと私は思う。引き継いだ資料を読む側にも、何を質問すればよいかが見える。その上で注文したいのは、氏子側の記録にも同じ区別を残すことだ。「昔から税金はかかっていない」という一文では、どの地番を、どの使い方で確認したのかが次の人に伝わらない。

境内に見える範囲と、資料に載る土地の単位を混ぜないようにしたい。歴史上の寺社領の変化は朱印地と上知の基礎資料に整理されている。ただし、土地の由来や古い呼び名を、そのまま2026年の非課税の証明には使えない。現在の所有関係、利用状況、確認資料を別々に読む。

磐田では、地番と用途をそろえて担当課へ聞く

磐田市で土地の固定資産税を担当するのは、資産税課土地グループである。同市の資産税課案内は電話0538-37-4809、本庁舎1階と掲載している。家屋は同課の家屋グループが担当する。2024年4月1日更新の案内を2026年10月1日に確認した。

富士市のページには、連絡後に現地調査等で要件を確認し、申告書を提出する手順もある。しかし、それは富士市の案内だ。磐田市の申告書、添付資料、提出時期が同じとは確認できていない。富士市の用紙を用意して出向くより、磐田市の担当課へ必要な手順を先に尋ねるのが私の提案である。

  1. 手元の書類にある所在地と地番を伝え、確認したい土地を特定する。地番が不明なら、不明であることから伝える。
  2. 名義の記載と現状の用途を分けて説明する。貸付けの有無、対価の有無、用途変更があれば、その内容も伝える。
  3. 確認に必要な資料、申告の要否、提出時期、来庁の要否を聞く。代表者以外が相談する場合の必要書類も確かめる。

電話だけで個別の課税判断まで済むとは限らない。私は、電話の目的を「結論を取ること」より「次に持参するものを間違えないこと」に置きたい。資料を取りに帰る往復が1回減るなら、氏子側の段取りとして意味がある。窓口で何分かかるか、必要な証明書にいくらかかるかは、この段階で勝手に決めない。

磐田市中泉の府八幡宮(ふはちまんぐう)の基礎情報のように、社名や所在地を知る資料は入口になる。ただし、神社の紹介ページには個々の土地の課税情報までは載っていない。本記事も府八幡宮の税務や運営を調べたものではなく、磐田の氏子が手元の土地資料を確かめるための話である。

私案は「1地番1枚」の確認メモ

神社の土地の引き継ぎには、地番ごとに確認の経緯を残すメモを私は提案する。これは市へ出す申告書ではなく、役員交代時に同じ質問を探し直さないための内部資料だ。非課税という結論だけを大きく書くのではなく、その結論を聞いた日と前提を一緒に残す。

欄書く内容
土地の特定所在地、地番、対応する図面や資料の保管場所
所有関係名義の記載、確認に使った資料名とその日付
利用状況何に使うか、誰が使うか、貸付けや対価の有無、確認日
照会の記録相談日、担当部署、質問、回答、回答の前提となった事実
残っている用事追加資料、次の確認先、期限が示された場合は年月日
作業の負担人数、作業時間、現地往復、実費、立替精算の状況

一つの地番の中で使い方が分かれるなら、位置の分かる図を添え、区分の扱いを担当課へ聞く。建物の話は土地のメモに埋もれさせず、対応する家屋の資料を示す。分からない欄を推測で埋めるより、「未確認・誰が何を聞くか」と書く方が、次の人が動きやすい。

私はこう考える。税金がかからなくても、確認する人の半日は無料ではない。非課税をありがたい仕組みとして受け止めることと、調べ直しを当番の善意で毎回埋めることは別だ。まず減らすのは、前任者も調べた地番や資料の置き場所を、後任者がゼロから探す作業である。

もっとも、私にも迷いはある。メモを細かくすると、書くこと自体が新しい当番になりかねない。最初から全筆を完成させず、課税の扱いが分からない1地番だけで試したい。確認済みの欄まで毎回書き直さず、変わった用途や新しい回答を日付付きで追記する。古い回答は当時の前提が分かる形で残す。

メモの受渡しでは、後任者に資料の場所を一度開いてもらう方法を考えている。紙なら保管する棚とファイル名、電子資料なら保存先を合わせる。「前の役員が持っている」で止めないためだ。ただし、個人の端末へ無制限に複製する必要はない。共同で管理できる置き場所を決め、交代後に誰が原本を預かるかまで記す。負担を減らせたかは、次の担当者が探す時間と往復回数で確かめたい。

名義が止まっている土地は、境内地が個人名義のままの場合の相続登記も別の確認になる。税のメモがあっても登記の問題が片付くわけではない。メモは資料の入口にとどめ、最新の証明書が必要かどうかは手続きごとに確かめる。

土地の日に、まず1地番の調べ直しを減らす

国土交通省は2026年9月18日の発表で、土地月間を2026年10月1日から31日までと示している。土地の日は10月1日。身近な土地を考えるきっかけだが、宗教法人の非課税申告の締切を示す発表ではない。月間の日程と税務手続きの期限を混同しない。

2026年10月1日に始める作業として、私は、引き継ぎ資料から不明な地番を1つ選ぶことを勧める。資料の名前と保管場所を書き、今の用途をどこまで把握しているかを添える。その上で磐田市の担当課に、足りない資料と次の手順を聞く。現地へ行く必要が出たら、何を確かめるための往復なのかを先に決める。

引き継ぎの際は、メモを読む人が元資料までたどれるかを確かめたい。閲覧を必要な担当者に限り、個人名義や連絡先の入った資料を回覧物へ混ぜない。非課税の適用や用途の変更については担当課へ、個別の税務判断は税理士などの専門家へ確認する。過去のメモだけで2026年以降も同じ扱いだと決めない。

氏子の一人として、商売の目で見ると、税額と確認の手間は両方とも負担である。続けるか、やめるかを先に決める話ではない。今の人数で受け渡せるように、1地番の記録から調べ直しの往復を減らす。私はそこから始めたい。

よくある確認

神社名義の土地はすべて固定資産税が非課税ですか。

神社名義という理由だけで、すべて非課税とは判断できません。地方税法第348条第2項第3号は、宗教法人が専ら本来の用に供する境内建物・境内地を対象としています。地番ごとの利用状況や貸付けの有無などを整理し、磐田市の土地は資産税課土地グループへ確認してください。過去の扱いだけで現在の適用を決めないようにします。

境内地が個人名義なら非課税にはなりませんか。

個人名義という点だけで結論は出せません。富士市の公表資料は、宗教法人などへ無償で使用させ、法定の用途に供する固定資産も用途非課税の対象として説明しています。磐田市の個別の適用は同市へ確認が必要です。所有関係、使用する団体、用途、対価の有無を伝えてください。非課税の確認と相続登記の確認は別の手続きです。

磐田の氏子・総代は最初にどこへ何を聞けばよいですか。

土地については磐田市資産税課土地グループ、電話0538-37-4809へ、確認に必要な資料と申告の要否を尋ねます。所在地・地番、資料にある名義、現在の用途を整理し、来庁が必要か、代理で相談する場合に何が要るかも聞きます。富士市の申告手順を磐田市に当てはめず、照会日と回答の前提を引き継ぎ用のメモへ残すのが本記事の提案です。

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出典・確認先

制度・金額・期限は変わります。相続、税、登記にかかわる個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家と、氏子総代や神社庁の窓口にご確認ください。本記事は一般的な情報であり、特定の神社・家・土地についての判断ではありません。

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この記事を書いた人

大石浩之(磐田市/不動産業)

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士

磐田市で実家じまい・相続・空き家の相談を受けています。氏神や祭りの担い手の話は、家や土地をどうするかの相談と必ず同じ場に出てきます。その現場で見たこと・聞いたことを、判断できるところとできないところを分けて書いています。

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