大石浩之の氏神ノート防災訓練氏子総代自主防災会磐田市
神社の防災訓練のやり方 磐田市9月6日に15分で試す
公開 2026-09-03/文:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
神社の防災訓練は、少人数なら何から始めればよいですか
神社だけで大規模な訓練を組まず、氏子・総代3人で15分、境内から公道へ出る経路、消火器など資機材の置き場所、安否情報を自治会へ渡す相手の3点だけを確認します。2026年9月6日の磐田市総合防災訓練は自治会が実施主体です。神社側の訓練は自治会の案内と安全管理に従い、役割を増やさず接続部分を試します。
磐田市の総合防災訓練は2026年9月6日、午前9時から正午が標準枠
磐田市の2026年度総合防災訓練は、9月6日(日)の午前9時から正午までの間に行われる。実施主体は各自治会(自主防災会)である。磐田市「令和8年度 総合防災訓練概要」は、南海トラフ巨大地震により市内各地で震度6強以上を観測した想定を置く。市のページと概要は2026年9月3日に確認した。
市が挙げる重点項目は4つある。安否確認、家庭の備え、共助による救助活動、人材台帳の整備である。安否確認は必須とされ、黄色いタオルやカードを使う例が示されている。携帯トイレは1人につき1日5回を7日分、つまり35回分。飲料水と食料も7日分という例がある。15分の訓練より、家族1人のトイレ35回分を置く場所のほうが先に詰まる。この数字は意外だった。
良い点は、訓練を一律の長さにしていないことだ。標準枠は午前9時から正午だが、終了時刻は各自治会が判断する。暑さや地域事情に合わせ、夜間や10月へ移すこともできる。大雨・洪水などの警報が出た場合や、災害発生のおそれがある場合は中止し、いわたホッとメールなどで知らせるとしている。9月の屋外行事に時間を固定しないのは、動く人の体力から見ても筋が通っている。
その上で、注文したいことが1つある。市の概要は自主防災会の訓練であり、神社が単独で何をするかは書いていない。これは不足というより役割の違いだろう。ただ、自治会の集合場所に境内が使われる地区では、神社側の鍵、出口、資機材、連絡相手をだれが確認するかが空欄になりやすい。市の訓練へ神社側の3項目をどう接続するかは、氏子と総代が決めることになる。
指定避難所との違いも先に分ける。磐田市の指定避難所43施設に神社と寺院は0件である。境内で訓練したからといって、その社が指定避難所になるわけではない。訓練のゴールは人を境内へ集め続けることではなく、自治会の決めた避難先と情報の流れへつなぐことである。
神社の防災訓練で氏子・総代が払う時間、現金、体力を先に数える
神社の防災訓練は、当日の15分だけでは回らない。氏子と総代が払う負担は、時間、現金、体力の3つに分けて数える必要がある。人数を募る前に内訳を紙へ出すと、訓練で試すものと、買い物や草刈りとして別日に回すものを切り分けられる。
| 負担 | 訓練前に発生すること | 3人・15分に絞る場合 |
|---|---|---|
| 時間 | 日程調整、自治会への連絡、境内図の用意、終了後の共有 | 当日は延べ45分。3人×15分で数える |
| 現金 | 用紙、飲料、乾電池、期限切れ資機材の交換 | 初回は在庫確認だけ。買う物と金額は訓練後に分ける |
| 体力 | 草刈り、倒木確認、重い資機材の移動、暑い時間の立ち作業 | 物を運ばず、歩いて指差し、記録する |
延べ45分は、3人それぞれの拘束時間を足した値である。6人を集めて2時間行えば延べ12時間になる。内容の立派さより、だれの休日を何時間使うかで比べる。私は不動産の段取りでも、会議の時間を参加人数で掛けて見る。無料に見える集まりほど、人数を掛けると重い。
現金は推測で単価を置かない。消火器、発電機、投光器、ヘルメット、携帯トイレなどは、社や自治会で持ち方が違う。初回は品名、数量、期限、保管場所だけを書く。買い替えが要る物は、訓練の終了後に見積もる。氏子費から出すのか、自治会の備品なのかも同じ紙に分ける。先に買うと、会計の説明が訓練そのものより長くなる。
体力は境内の状態で変わる。訓練の前日に草刈りを入れ、当日に資機材を運べば、同じ人へ二重に乗る。境内の手入れをだれが担ってきたかは境内の清掃と奉仕に整理している。低地、排水口、境界、市道側溝への流れを訓練当日に重ねず、別日に30分で見る手順は神社境内の雨水排水にまとめた。9月は落枝や倒木も外せない。境内の危険木と台風で書いた確認は、訓練とは別日に済ませる。訓練当日に危険木の下へ人を集める順序は逆である。
神社の防災訓練のやり方は3人・15分・3確認で足りる
神社の防災訓練を少人数で始めるなら、3人を進行、歩行、記録に分け、15分で出口、資機材、情報の3点を確認する。これは磐田市の公式手順ではなく、氏子の負担を増やさず自治会訓練へ接続するための私案である。消火、救助、搬送の実技は含めない。
| 経過 | すること | 記録する答え |
|---|---|---|
| 0〜3分 | 地震発生の想定と中止条件を読み、3人の役を決める | 本日は歩ける状態か。中止連絡は届いているか |
| 3〜8分 | 集合地点から公道まで歩き、門、段差、倒れそうな物を見る | 出口は1本か2本か。夜でも通れるか |
| 8〜12分 | 消火器、分電盤、水道、社務所の鍵を指差す | 3人とも場所を言えるか。期限や鍵の持ち主は分かるか |
| 12〜15分 | 「全員無事」「未確認1世帯」など1件を自治会へ渡す想定で復唱する | だれへ、何で、どの順に伝えるか |
1つ目は出口である。鳥居の正面だけでなく、裏口や脇道が公道へつながるかを見る。石段、石灯籠、玉垣の近くを通るなら、別の線を境内図へ引く。社殿や石造物が安全だと、この場で判定する必要はない。分からない場所は「通らない候補」と書き、後日、所有者や専門家へ確認する。
2つ目は資機材である。消火器を噴射したり、可搬ポンプを動かしたりしない。市の概要は、止血、搬送、初期消火などの動画も案内しているが、実技は指導者と安全区域がある訓練で行う。15分で見るのは、置き場所、期限、障害物、鍵の4点だけだ。3人のうち1人しか見つけられなければ、それが結果になる。
3つ目は情報である。黄色いタオルなどで集めた安否を、神社の名簿として抱え込まない。自治会の自主防災本部へ、だれがどの手段で渡すかを1件だけ復唱する。連絡窓口を1本にする考え方は当番連絡のLINE化と同じだ。ただし、停電や通信障害もあり得る。電話、連絡アプリ、紙のどれを使うかは自治会の決め方に合わせる。
私は神職でも総代でもなく、災害時に境内を運営した実体験もない。ここからは不動産業者としての意見である。空き家では、玄関の鍵を持つ人と、漏水を止める元栓の場所が別々に分からなくなる。家が動けば、鍵を持つ人も連絡先も動く。神社も土地と建物である以上、鍵と分電盤の情報が1人の記憶にだけ残る状態は避けたほうがよいと私は考える。
今の人数で減らすのは、訓練当日に資機材を運ぶ作業
今の人数で神社の防災訓練を回すため、最初に減らすものは訓練当日の資機材運搬である。初回は保管場所へ歩き、扉を開け、一覧と実物を照合するだけにする。机へ並べる、発電機を運ぶ、水を箱で積む作業は行わない。確認と実技を同じ日に詰めない。
言い切る。防災訓練は、種目を増やすほど備えが厚くなるわけではない。氏子3人が出口と連絡相手を同じ言葉で答えられれば、初回の15分は成立する。反対に、消火器、担架、炊き出し、発電機を並べても、自治会へ安否を渡す相手が分からなければ、神社の中で情報が止まる。
迷いもある。15分に縮めることで、参加者が「これで十分」と受け取るおそれは残る。大規模地震を15分で扱えるはずはない。だから記録の最後に、できたことと、次回へ残したことを1行ずつ分ける。「出口を確認した」「消火器の実技は未実施」という書き方にする。短くするのは災害の重さではなく、1回に背負う作業の数である。
信仰の場を地域の訓練にどう使うかは、社ごとに違う。拝殿を開けること、境内を集合場所にすること、備蓄を置くことを一括りにしない。伝統だから引き受けるべきとも、負担があるからやめるべきとも私は言わない。氏子の時間、現金、体力のどこまでを使うか、項目ごとに決めればよい。
氏子が今日できる確認は、自治会へ渡す相手を1人書くこと
氏子が2026年9月6日までにできる確認は、安否情報を渡す自治会側の相手を1人、紙へ書くことである。氏名を公開する必要はない。自主防災会長、防災担当、組長など、その地区で使っている役名と連絡手段を書く。神社側だけの連絡網を新しく作らず、既存の流れへつなぐ。
次に、訓練を行う社を磐田市の神社一覧146社で確認し、同名の別社と取り違えていないかを見る。集合案内には社名だけでなく大字を書く。訓練当日は、所属自治会の案内、開始時刻、中止連絡を優先する。市の午前9時は標準枠であり、すべての地区が同時に始める合図だとは公表資料に書かれていない。
訓練後に残す紙は1枚で足りる。日付、参加3人、出口、資機材、連絡相手、未確認事項の6欄を置く。写真は顔や名簿を写さず、必要なら資機材の置き場所だけにする。次の総代へ渡せる紙が残れば、同じ確認をゼロからやり直さずに済む。
氏子の一人として、商売の目で見ると、防災訓練の価値は当日の人数より引き継げる答えの数にある。2026年9月6日に結論を全部出す必要はない。まず3人で15分、出口、資機材、自治会への連絡相手を確かめる。そこで詰まった1点が、次に時間と現金を使う場所になる。
よくある確認
神社の防災訓練は何人いればできますか。
最初の確認は3人でできます。進行役、境内を歩く役、時刻と気づきを記録する役に分かれ、15分で出口、資機材、自治会への連絡先を確認します。消火や搬送を実際に行う訓練は、消防や自主防災会などの指導と安全管理の下で実施します。人数を集める前に、3人で詰まる場所を見つけます。
磐田市の総合防災訓練は9月6日の何時からですか。
磐田市の2026年度総合防災訓練は、9月6日(日)の午前9時から正午までの間が標準です。終了時刻は各自治会が判断し、暑さや地域事情により夜間や10月へずらすことも可能とされています。神社側で一律に9時開始と決めず、所属する自治会の案内と中止連絡を確認します。
神社の訓練で消火器を実際に噴射してもよいですか。
自己判断で噴射する手順にはしません。15分の確認では、設置場所、使用期限、周囲の障害物、担当者が見つけられるかを記録するところまでにします。実放射、可搬ポンプ、バケツリレー、搬送などは、消防や自主防災会が用意した訓練の指導、安全区域、資機材に従って行います。
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出典・確認先
- 磐田市「防災訓練」(2026年8月5日更新)(2026年9月確認)
- 磐田市「令和8年度 総合防災訓練概要」(2026年9月確認)
制度・金額・期限は変わります。相続、税、登記にかかわる個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家と、氏子総代や神社庁の窓口にご確認ください。本記事は一般的な情報であり、特定の神社・家・土地についての判断ではありません。