大石浩之の氏神ノート電気代LED常夜灯祭礼照明氏子総代磐田市

神社の電気代とLED 低圧9月は3.5円支援

公開 2026-09-05/文:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

記事内容をもとに生成したイメージ:神社の電気代とLED 低圧9月は3.5円支援
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の場所・人物を撮影したものではありません。

神社の常夜灯や祭礼照明は、9月の支援を待ってからLEDへ替えるべきですか

2026年9月使用分の低圧電気には、1kWh当たり3.5円相当の料金支援があります。対象なら10月検針分に反映されますが、支援は一時的です。LED化は、明細の契約種別・使用量と、各電球の消費電力・点灯時間・交換作業を確認して決めます。まず常夜灯を1灯だけ試し、明るさと安全を確かめてから対象を広げるのが現実的です。

低圧の9月使用分は1kWh当たり3.5円、反映は10月検針分

経済産業省が2026年6月12日に公表した「電気・ガス料金支援」では、2026年9月使用分の低圧電気に1kWh当たり3.5円相当の支援が示された。9月に使った電気は10月検針分に当たる。9月に届く請求書の値引き額ではない。

経済産業省の資料によると、支援期間は2026年7月・8月・9月使用分の3か月である。低圧の支援額は7月3.5円、8月4.5円、9月3.5円。支援は料金算定に使う使用量当たりの単価から差し引き、毎月の請求へ直接反映する仕組みとされている。

意外なのは、会計担当者が見る月が1か月ずれることだ。2026年9月使用分は10月検針分である。祭礼照明を9月に点灯しても、支援の有無と使用量を照合する明細は10月に届く。9月請求分だけを見て「支援がない」と決めると、確認する紙を間違える。

神社の契約が対象になるかは、社名や用途だけでは決められない。請求書にある契約種別、小売電気事業者、使用期間、使用量、値引きの表示を確認する。低圧以外の契約や自由料金の扱いもあるため、分からない欄は契約先へ聞く。ここで使える数字は3.5円であり、個別の神社の請求額までは一次情報から分からない。

電気代の前に、時間・現金・体力を3列で数える

神社の電気代とLEDを比べるときは、請求額だけでなく、氏子・総代がすでに払っている時間、現金、体力を3列に分ける。常夜灯の点検、祭礼前の設営、脚立の運搬、切れた電球の購入、明細の記帳までが電気の仕事である。

負担数える項目会計に残すもの
時間点灯確認、買い出し、交換、祭礼後の撤去、明細照合担当人数と延べ時間
現金電気料金、電球、器具、電気工事、脚立や安全用品領収書と購入日
体力脚立の運搬、高所作業、境内の往復、器具の清掃交換場所と作業人数

現金の欄だけを見れば、3.5円の支援は助かる。だが、電球が切れるたびに担当者が買いに行き、脚立を運び、暗い時間に点灯を確かめる仕事は、請求書の値引き欄には出ない。境内を保つ人の作業は「境内の清掃と奉仕」にも整理されている。電球交換も同じ奉仕の時間に乗っている。

常夜灯と祭礼照明は分けて数える。毎晩点灯する灯りと、年に数日だけ使う提灯や投光器では、消費電力量も交換作業も違う。夜間の安全と参拝時間を考える背景は「夜間の参拝」で確認できる。ただし、そのページはLEDの仕様や点灯時間を決めるものではない。

会計担当者が最初に作るのは、灯りの地図ではなく一覧表で足りる。場所、電球の表示、灯数、1日の点灯時間、年間の点灯日数、交換日、交換した人を1行にする。表示が消えて読めない器具は「不明」と書く。分からない数字を埋めて計算するより、確認が要る場所を残すほうが次の担当者に伝わる。

60Wから8Wへ替える仮定なら、10灯で月187.2kWhの差になる

LEDによる使用電力量の差は、交換前後の消費電力、灯数、点灯時間から計算する。説明用に、60Wの電球10灯を毎日12時間、30日点灯し、同じ場所の候補を8WのLED10灯と仮定する。実際の器具や明るさを示す数字ではない。

仮定計算30日分
交換前60W×10灯60×10×12×30÷1,000216kWh
候補8W×10灯8×10×12×30÷1,00028.8kWh
使用電力量の差216−28.8187.2kWh

この仮定で支援額だけを計算すると、交換前は216kWh×3.5円で756円相当、交換後は28.8kWh×3.5円で100.8円相当になる。支援額が大きいほど得だと読むのは逆である。多く電気を使うほど、使用量に応じた支援額も大きく表示されるからだ。

LED化で減る電気料金は、187.2kWhに契約中の料金単価を掛けて概算する。料金単価は契約や月で違うため、ここでは固定しない。電球代、器具代、工事費、廃棄、交換にかかる延べ時間を足し、何か月で回収できるかを見る。3.5円は電気そのものの単価ではなく、2026年9月使用分の支援額である。

LEDの候補は消費電力だけで選べない。必要な明るさ、光の広がり、口金、器具の対応、屋外で使えるかを商品表示で照合する。密閉された器具や傷んだ配線があれば、電球だけ替えて終わるとは限らない。器具の交換や配線に触れる作業は、現物を見せて電気工事業者へ相談する。

社殿や設備の支出を総額だけでなく内訳から読む考え方は「神社の修繕費を労務単価から読む記事」と同じである。電気でも、電球の購入費と人の作業を分ける。安い電球が、交換回数と高所作業まで含めて安いとは限らない。

支援は良い。だが、3.5円でLEDの検討を止めない

2026年の電気・ガス料金支援の良い点は、対象なら使用量に応じた値引きが毎月の請求へ反映されることだ。申請書を作る前に、10月検針分の明細で結果を確認できる。夏から祭礼期に電気を使う社にとって、現金支出を抑える材料になる。

その上で、注文したい点がある。「9月分」という短い表示だけでは、使用月と検針月を取り違えやすい。会計の引き継ぎ表には「2026年9月使用分・10月検針分・低圧3.5円相当」と3つを一緒に書く。値引きの名称や表示場所は契約先へ確認する。

言い切っておく。支援で請求額が下がる3か月と、毎年続く点灯・交換の仕事は、同じ表で混ぜてはいけない。支援は良い。だが、3.5円でLEDの検討を止めない。制度がある月だけ安く見えても、消費電力と交換作業は支援が終わった後も残る。

ここは体験ストックに該当する記録がないため、実際の神社で交換した話ではない。私はこう考える。制度としては筋が通っている。ただ、氏子の会計担当者が先に知りたいのは、うちの明細でいくら下がり、誰がいつ電球を替えるのかである。支援額を写すだけでは、その2つに答えられない。

私はまだ、常夜灯を一律にLEDへ替えればよいとは決めきれない。光の広がりが変われば、段差や参道の見え方も変わる。祭礼時だけの照明は点灯日が少なく、購入費を回収するまでの期間も長くなる。電気代だけで急いで一斉交換するより、1灯で確かめる余地を残したい。

磐田市見付の「矢奈比賣神社」の個別ページには鎮座地や祭典の基礎情報が載っている。一方、電気の契約種別、常夜灯の灯数、点灯時間は公開情報から分からない。具体的な社名を挙げても、公開資料にない運営の中身を推測しない。この線は越えない。

今の人数で減らすのは、一斉交換ではなく最初の10灯である

今の人数で神社の照明を回すために1つ減らすなら、最初から10灯すべてを交換対象にすることだ。常夜灯から1灯を選び、交換前後の消費電力、点灯時間、明るさ、作業時間を1か月だけ記録する。一斉交換を減らし、失敗したときのやり直しも1灯に止める。

不動産業の側から見ると、電気代の分母を昔の氏子戸数のまま置くことにも無理がある。相続で家の名義が動き、市外に住む持ち主が増えても、常夜灯の灯数は自動では減らない。住んでいる家だけに交換当番が回れば、請求額より先に体力が偏る。会計表では総額に加え、実際に動ける担当人数と1人当たりの作業時間を年ごとに残す。

1灯の試行では、月の請求総額だけで成否を決めない。社務所の空調、冷蔵庫、ポンプなどを同じ契約で使っていれば、照明以外の使用量も明細へ入る。交換した1灯の消費電力の差に点灯時間を掛け、明細全体とは別の行で概算する。祭礼の前後で点灯時間が変わった月も、日数を記録して比べる。

今日できる確認は、10月検針分の明細と、交換候補1灯の表示を写真に残すことである。明細は契約先、契約種別、使用期間、使用量、値引き欄を確認する。電球は消費電力、口金、明るさ、屋外・器具への対応を確認する。個人名、口座番号、顧客番号が写る写真は共有しない。

  1. 常夜灯、社務所、祭礼時だけの照明を別の行にする。
  2. 交換候補1灯の消費電力と点灯時間を記録する。
  3. 1か月後、使用電力量と交換作業の延べ時間を比べる。
  4. 明るさと安全に問題がなければ、次の1灯を決める。

会計の記録方法は「氏子費の集金方法を現金と振込で比べた記事」にも通じる。電気料金も、引き落とされた金額だけで終わらせず、使用期間、使用量、支援額、交換費を1行で残す。次の会計担当者が同じ請求書を探し直さずに済む。

氏子の一人として、商売の目で見ると、電気代は請求額より工程で見るほうがよい。誰が点灯を確認し、誰が脚立を運び、誰が明細を記帳したか。3.5円の支援を受けられるかを確かめたうえで、支援が終わっても減る1灯分の使用量と交換作業を残す。それが、今の人数で続けるための小さな手順である。

よくある確認

神社の電気契約も、低圧9月の3.5円支援を受けられますか。

神社という用途だけで一律には決められません。2026年9月使用分は、低圧なら1kWh当たり3.5円相当が支援額です。ただし、契約種別、小売電気事業者の参加、料金への反映方法を確認する必要があります。10月検針分の明細で、契約先、使用量、値引きの項目を照合してください。

LEDへ替えた場合の使用電力量は、どう計算しますか。

電球の消費電力W×灯数×1日の点灯時間×日数÷1,000で、使用電力量kWhを概算します。交換前と候補のLEDを同じ式で計算し、差を契約中の料金単価に掛けます。明るさ、口金、器具の対応、屋外で使えるかは別に確認し、表示が読めない器具は電気工事業者へ相談します。

常夜灯や祭礼照明は、一度に全部LEDへ替えたほうがよいですか。

一斉交換を先に決める必要はありません。まず1灯で、必要な明るさ、光の広がり、点灯時間、器具の熱や傷み、交換時の足場を確認します。常夜灯と祭礼時だけ使う照明は点灯時間が違うため、一覧を分けます。1か月分の使用量と作業記録を残し、次の対象を判断します。

あわせて読む

出典・確認先

制度・金額・期限は変わります。相続、税、登記にかかわる個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家と、氏子総代や神社庁の窓口にご確認ください。本記事は一般的な情報であり、特定の神社・家・土地についての判断ではありません。

大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人

大石浩之(磐田市/不動産業)

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士

磐田市で実家じまい・相続・空き家の相談を受けています。氏神や祭りの担い手の話は、家や土地をどうするかの相談と必ず同じ場に出てきます。その現場で見たこと・聞いたことを、判断できるところとできないところを分けて書いています。

ATAWI SHRINE について大石浩之のプロフィール